心理学

非心理職からGルート公認心理師になる私たちが勉強すべきこと

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非心理職から公認心理師になる私たちが勉強すべきこと
悩める人

私は非心理職でしたが、いわゆるGルート受験で公認心理師試験に合格しました。

公認心理師をメインとして働くわけではないのですが、資格を取った以上は学びを深めたいと思います。

何を勉強すれば良いのでしょうか?

私は理学療法士ですが、公認心理師試験に合格しました。

働く上でのメインはあくまでも理学療法士ですが、公認心理師の資格も活かしたい。

公認心理師として勉強すべきことを調べていますので、こちらでまとめていきますね。

まじぃ

平成27年9月9日に公認心理師法が制定され、平成29年9月15日に施行されました。

その後5年間、現任者に対する救済措置として、いわゆるGルート受験というものが行われました。

このGルートでの受験資格について、多くの批判がなされることになったのですが、批判の内容の主たるものはそもそも心理学を学んでいないというものです。

確かに、私も理学療法士ですので、これまで心理学を専門的に学んだ経験というのはありません。

ですが、対象者に対して理学療法士として関わる中で少なからず心理的支援を行う場面があり、むしろ心理学を学ぶことでより良い支援をしたいという考えで公認心理師を志したところもあります。

そのような考えで公認心理師試験を受験された方も多いのではないでしょうか。

しかし、公認心理師試験に合格した程度の心理学の知識だけでは不足していると感じるのも事実。

そこでこの記事では、Gルートで公認心理師試験を受験して合格された方に向け、これから勉強していくべき内容についてまとめていきます。

この記事のポイント

  • 公認心理師に対応した大学・大学院(国公立優先)のシラバスを参考に勉強すべき内容をまとめます
  • シラバスに記載のある教科書・参考書を分野・領域ごとにまとめ、紹介します
  • 独学では実習までカバーできないため、本気で勉強するなら大学院に行くしかない部分もあるのは事実

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理学療法士のまじぃです。

理学療法士ですが、Gルートで公認心理師試験(第5回)を受験し、合格しました。

そして、登録手続きを終え、登録証も手元に届いたため、『公認心理師』を名乗ることができます。

多くの批判があることも理解していますが、せっかく取得した資格を活かしたい、公認心理師としての学びを深めたいと考え、これから勉強すべきことを調べました。

こちらでまとめて共有しますので、同じ立場のみなさんにもお役立ていただけると幸いです。

公認心理師って?何が批判されるの?

まずは簡単に公認心理師とGルート受験、そしてそれに対する批判について解説します。

公認心理師について

公認心理師とは、日本で初めての、心理職の国家資格です。

平成27年9月9日に公認心理師法が制定され、平成29年9月15日に施行されました。

つまり、できて間もない国家資格ということです。

業務内容としては、厚生労働省のサイトにおいて次のような記載があります。

公認心理師とは、公認心理師登録簿への登録を受け、公認心理師の名称を用いて、保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識及び技術をもって、次に掲げる行為を行うことを業とする者をいいます。

(1)心理に関する支援を要する者の心理状態の観察、その結果の分析

(2)心理に関する支援を要する者に対する、その心理に関する相談及び助言、指導その他の援助

(3)心理に関する支援を要する者の関係者に対する相談及び助言、指導その他の援助

(4)心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供

公認心理師|厚生労働省

受験資格に8パターンがある

公認心理師の受験資格を得るための方法として、8つのパターンが存在します。

大きく分けると次の2つに区分することができます。

  • 大学・大学院で必要な科目を履修する(区分A、区分B、区分C)
  • 経過措置としての特例措置(区分D1、区分D2、区分E、区分F、区分G)

このうち区分G(Gルート)というのが、批判されることになりました。

Gルートは非心理職も受験できた

Gルートというのは、現任者を対象とした措置です。

つまり、既に心理職として働いている人は大学・大学院に改めて行く必要がなく、資格を取得できるという救済措置です。

このGルートは公認心理師が新設されてから5年間に限定されたものだったため、令和4年度(第5回)の試験を最後に、利用することができません。

Gルートの受験では、文部科学省もしくは厚生労働省の定める施設において5年以上の実務経験を有し、現任者講習を受講することと、といった条件が定められていました。

この実務経験というのが、先ほども示した次のような定義に当てはまる業務です。

公認心理師とは、公認心理師登録簿への登録を受け、公認心理師の名称を用いて、保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識及び技術をもって、次に掲げる行為を行うことを業とする者をいいます。

(1)心理に関する支援を要する者の心理状態の観察、その結果の分析

(2)心理に関する支援を要する者に対する、その心理に関する相談及び助言、指導その他の援助

(3)心理に関する支援を要する者の関係者に対する相談及び助言、指導その他の援助

(4)心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供

公認心理師|厚生労働省

この定義に当てはまる業務に5年以上従事し、施設長の証明があれば、現任者講習を受講することで受験資格を得ることができました。

このGルートで受験資格を得た人には、これまで臨床心理士、臨床発達心理師、学校心理士などの実務経験を有する人のみならず、看護師や社会福祉士、作業療法士、言語聴覚士、学教教員、保育士なども多くいたことが判明しています。(参考:一般財団法人 日本心理研修センター

私も、このGルートで受験資格を得た一人です(理学療法士として)。

Gルート公認心理師に批判が集まった

例えば、ツイッターでは色々な批判がつぶやかれています。

批判されている理由や内容も理解できます。

どうやら(見つけられませんでしたが)看護師やコメディカルで公認心理師を取得した途端、「わたしカウンセリングできます!」みたいなことを言い出す人がいたようで、そのような場合にはツイートされているような批判も当然かと思います。

ここで多くは書きませんが、資格とスキルとは別物であって、資格は資格。

院卒だから心理職としての業務がすぐに全て遂行できるかというとそうではなく、必要な知識をつけた上で業務に従事し、実践経験を積んでいくはずです。

資格があるからカウンセリングができるわけではなく、カウンセリングはカウンセリングを学びながら実践を繰り返すことでできるようになっていくものだと考えます。

非心理職Gルート公認心理師は勉強するしかない

では、私を含めて批判される立場にある非心理職Gルート公認心理師試験合格者は、登録して公認心理師を名乗ることはやめ、試験に合格したことをなかったことにするべきなのでしょうか?

そういうことではなく、心理師として足りない部分があるのなら、補填すべく勉強をするしかないと考えています。

もちろん「資格取得しました!カウンセリングできます!心理職メインで働きます!」というのは批判されて当然で、私自身も心理学も勉強して活用できる立場にいる理学療法士というスタンスでいようと考えています。

どちらにせよ、資格をとったからできる!ではなく、資格をとったからこそ学びを深める!というスタンスが大切だと思うのです。

どんな職業・資格でも同じですよね。

非心理職出身Gルート公認心理師はどうやって勉強すべきなのか?

では、非心理職である看護師やコメディカル、教職員など出身のGルート公認心理師は何をどうやって勉強すべきなのでしょうか。

方法は色々あります。

  • 大学・大学院に行く
  • 研修会等に参加する
  • 独学で学ぶ

大学・大学院で勉強するのが一番確実

公認心理師の正規ルートとされる区分A,Bの受験要件では、大学もしくは大学院で定められた科目を履修することが必要となります。

つまり、公認心理師として必要であるとされる知識・技術は大学・大学院で学ぶことができるわけです。

ただし、学校で学ぶことと臨床の現場に出ることは(公認心理師に限らず)別物だと言えるので、大学・大学院に通えば全てが解決するかと言うと少し違いますが。

少なくとも、公認心理師として学ぶべき内容は大学・大学院で一通り学ぶことができると考えられます。

研修会等に参加する

大学・大学院に行って学ぶことが一番確実ではあるものの、現実的に難しい場合が多いのではないでしょうか。

区分Gで公認心理師資格を取得された方の多くは本職(心理職含む)があるはずですし、生活を維持するためには働かなければなりません。

誰もが気軽に大学・大学院に行けるわけではないはずです。

そうなると、公認心理師や臨床心理士向けに開催されている研修会に参加することがより現実的な方法だと考えられます。

対面形式の研修会に加え、オンラインで受講できるサブスクリプション型の講義サービスもあるようです。

例えば、臨床心理iNextのようなサービスがあります。

学習するだけであればオンラインでの講義で十分対応可能かとも思いますが、実技的な部分はやはり対面形式での研修が必要な部分があると考えています。

「カウンセリングできます!」みたいなことを言いたいのであれば、そういった研修会には積極的に参加したいですね。

独学で学ぶ

上で紹介したオンラインでの講義も含まれますが、自分で勉強を続け、学ぶという方法、いわゆる『独学』もあります。

主たるものは書籍から学ぶということになるかと思いますが、前述したオンラインでの講習会も含まれるでしょう。

働きながら学び続けるのであれば、この独学を継続しつつ、研修会等に適宜参加しながら学んでいくというのが現実的なのではないでしょうか。

非心理職出身Gルート公認心理師は何を勉強すべきなのか?

では、非心理職出身Gルート公認心理師は何を勉強すべきなのでしょうか?

前項で書いたように、基本的に大学・大学院で履修する科目に沿った知識を習得していくことが一番だと考えています。

そうなったときに参考にすべきなのが、公認心理師に対応した大学・大学院のシラバスです。

シラバスとは

専門学校や大学に通ったことにある方は『シラバス』というものを利用・活用したことはあるのではないでしょうか。

シラバスとは…

シラバスとは大学における講義の内容やスケジュール、または成績の評価の方法など「授業計画」が詳しくまとめられた資料のことです。最近はあえて冊子にせず大学サイト上に公開するスタイルが主流。学生はこのシラバスを参考にして、どの科目を履修するか決め、履修登録することになります。

マイナビ|シラバスとは何?大学で使われるが今さら聞けない謎の用語15選

つまり、シラバスを見ればその大学・大学院のその科目で、どのような授業が展開されるのかを知ることができます。

また、科目や教員よっては教科書や参考書まで記載されており、公認心理師や心理学に関わらず、何かを体系的に学びたいと思ったときに活用できる方法だと考えています。

シラバスが一般公開されている公認心理師対応大学・大学院一覧

大学・大学院によっては、シラバスの公開は在学生のみに限られている場合もあります。

そこで、公認心理師に対応した大学・大学院でシラバスが一般に公開されている大学・大学院をまとめました。

独学する上での参考にしていただければと思います。

現在、北海道〜中部までの国公立大学のみまとめが完了しています(随時更新)

気になる大学のシラバスをご参照ください。

もしも大学・大学院に行こうと考えている方であれば、学校を選ぶ上でも参考になるかと思います。

筆者が一人で調査しまとめています。抜けや漏れがある場合はご容赦ください。また、ご連絡いただけると幸いです。

独学ではシラバスを参考にすると体系的に学びやすい

前項までで解説してきた通り、独学で公認心理師に必要な知識を学ぶ上では、大学・大学院のシラバスが参考になります。

ということで、ここでは一般に公開されている国公立大学のシラバスを参照し、教科書や参考書に指定されている書籍を紹介していきます。

数が多いため、分野別にまとめてページを分けました。

ご自身の専門とする、もしくは勉強したい分野からご参照ください。

心理学総論・概論

心理検査関連

心理アセスメント・心理査定関連

カウンセリング・心理面接・心理療法関連

レジリエンス関連

https://humankotoba.com/psychology/g-cpp-resilience

小児領域

認知・行動心理学/認知行動療法

発達心理学

心理教育

学校心理学

家族心理学

産業・労働分野

医療福祉関連

司法・犯罪領域

脳神経科学

心理実験・統計・研究関連

認知神経科学

倫理・職責

生理心理学

学習・言語心理学

感情・人格心理学

法律・関係行政論

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