

症例報告するときに患者さんの動画を使いたいのだけれど、そのまま流して良いのかな?
簡単に、できれば無料でモザイクをかけられたら良いんだけど.
ご本人の了承を得た上で動画を使用することは前提として、モザイク処理などのプライバシー対策は必要ですね。
今回は無料で簡単に動画にモザイク処理を施す方法を紹介します。

日本理学療法士協会では生涯学習の新制度が開始され、登録理学療法士の取得要件として症例検討の実施が含まれるようになりました。
これにより、新人療法士や若手療法士の方も症例発表・症例報告を行う機会は増えてくると思います。
患者さん・利用者さんの運動・動作・行為を検討する上で、全てを文章で説明することは難しく、動画の使用が望ましい場面は多いでしょう。
そんなとき、プライバシー対策のためにモザイク処理を行いたいこと、ありませんか?
今回は症例報告などのために動画にモザイク処理を施す方法を紹介します。
無料で簡単にモザイク処理を施す
理学療法士が症例検討で提示・検討する機会が多い動作として、歩行が挙げられます。
脚の動きは見せたいけれど、顔は隠したい。
そんなときに使いたいのがモザイク処理です。
無料で簡単に、しかも顔だけ選択的にモザイク処理を施すことができれば、とても助かりますよね。
その方法とは、YouTubeを使います。

YouTubeって、全世界に配信されちゃうんじゃ…
安心してください。
設定さえ間違わなければ、配信されない状態で動画の編集のみ行うことができます。
大まかな手順は次のような流れです。
モザイク処理の手順
- YouTubeに動画に動画をアップロード(非公開設定)
- YouTube Studioを使って動画を編集(ここでモザイク処理)
- YouTubeから編集した動画をダウンロード
それでは、細かい手順を解説していきます。
かなり詳細に説明しているので、画像が多くなっている点だけご了承ください。
この記事を書いた人

理学療法士として10年以上勤務する中、症例検討や症例報告など、数多くの発表を行ってきました。
以前は寛容だった動画の使用に対して、その厳しさが増してきている印象を感じています。
これから症例報告・症例検討などされる新人・若手理学療法士の助けになればと思い、この記事を書いています。
YouTubeを使って動画にモザイク処理を施す手順
それではここからYouTubeを使って動画にモザイク処理を施す手順を紹介していきたいと思います。
まず、今回はこちらのフリー素材の動画を使っていきたいと思います。
こちらの動画が、これから紹介する手順を使うと…
このようなモザイクで顔を隠した動画にすることができます。
それでは、方法を解説していきます。
YouTubeに動画をアップロードする
まずはYouTubeに動画をアップロードするところから始めます。
もし、YouTubeのアカウントをお持ちでなければ新しくアカウントを作成するか、Googleアカウントなどを使用してログインしてください。

YouTubeのトップを開くと、右上にカメラマーク(画像の赤丸)があるので、クリックします。
するとその下に「動画をアップロード」(画像の赤四角)が出てくるので、こちらをクリックします。

すると「動画をアップロードしてください」という画面が開くので、『動画をアップロード』(画像の黄色丸)をクリックします。

初めて行う場合には『YouTube Studioへようこそ」という画面が出るので、続行(画像赤丸)をクリックします。

アップロードするファイル(動画)を選択する画面が開くので、編集した動画を選択し、右下の『アップロード』(画像赤丸)をクリックします。
すると、アップロードした動画の設定を行う画面が開きます。

子ども向けか否かの選択が必須項目になっているので、『いいえ、子ども向けではありません』のラジオボタン(画像黄色丸)にチェックを入れて、『次へ』(画像赤丸)をクリックします。

画像の要素を設定(追加)する画面が開きますが、追加するものがなければそのまま次へ(画像赤丸)をクリック。

今度は『チェック』のウインドウが開きますが、問題なければこれもそのまま次へ(画像赤丸)をクリック。

ここが重要です。
公開設定は、非公開(画像黄色丸)のラジオボタンをにチェックを入れ、保存(画像赤丸)をクリックします。
ここを限定公開や公開にしてしまうと、自分以外の人が見られることになってしまいます。かならず非公開にチェックを入れましょう。
以上の手順で動画がアップロードされ、次からの動画編集作業に進めます。
アップロードした動画をYouTube上で編集しモザイク処理する
ここからが本題です。
上の手順でアップロードした動画に、モザイク処理を行っていきます。
簡単にできてしまいますが、ここからも詳しく解説していきます。

左側のメニューから『コンテンツ』(画像黄色丸)を選択すると、右側の『チャンネルのコンテンツ』が一覧で表示されます。
先ほどアップロードした動画のタイトルかサムネイル(画像赤丸)をクリックします。

すると、『動画の詳細』画面が開くので、左側のメニューから『エディタ』(画像黄色丸)を選択します。

『タイムライン上の要素を編集して適用する』という画面が開くので、下の『使ってみる』(画像黄色丸)をクリックします。

ここで開いたのが『動画編集画面』です。
さっそくモザイクをかけていきます。
『ぼかし』と書かれた右側の+をクリックすると、『顔のぼかし』と『カスタムぼかし』が選べます。
ここでは『カスタムぼかし』を選択してください。
『顔のぼかし』は自動的に人の顔を検出してモザイクをかけてくれますが、はみ出すことが多いため、カスタムぼかしを使用して手動で処理していくことをオススメします。

これで『ぼかし』つまりモザイクを編集する画面が出てきました。
まずはカスタムぼかしの設定を行います。(画像黄色丸)
モザイクの形状を『長方形』か『楕円』か選べるので、お好みで選択してください。
ぼかしの動作は、『ぼかし対象の動きに合わせる』を選択してください。
これにより、ぼかしが対象を自動追尾するようになります。
そうすると、右側の動画が表示されているところにモザイクが表示されます。(画像緑丸)
このモザイクはドラッグすることで任意の場所に移動することができるため、大きさも調整しつつ、顔が隠れる位置に移動します。
下に表示された青い帯(画像赤四角)は、モザイクが表示される時間を表しています。
この帯もドラッグで伸ばしたり縮めたり、移動することができます。
顔を隠す必要のある時間(コマ)だけモザイクが表示されるようにしましょう。

ぼかしの大きさと位置を調整したら(画像緑丸)、カーソル(画像黄色丸)をドラッグで動かして動画を進めていきます。
ぼかしから顔が出てしまう部分があれば、そこでぼかしの大きさや位置を調整していきます。
この作業を繰り返し、動画全てで対象者の顔にぼかしがかかった状態になるのを確認します。

症例報告で使用する動画ではあまりないケースだと思いますが、動画に複数の人物が映り込んでいてモザイク処理が必要な場合は、左上の『+ぼかし』をクリックすると、ぼかしを追加することができます。(画像黄色丸)
その場合、ぼかしの表示位置を表す青い帯(画像赤四角)がもう一段追加されます。
先ほどと同様の手順で、もう一人の人物にもモザイクをかけていきます。
人物でなく、周辺環境にモザイクをかける場合の方が多いかもしれませんね。

全ての人物や必要か所にぼかしをかけ終わったら、右上の『保存』(画像黄色丸)をクリックします。
変更を保存しますか?と聞かれるため、もう一度右下の『保存』(画像赤丸)をクリックします。
編集した動画の保存に少し時間がかかるため、しばらく待ちます。
編集した動画をダウンロードする

保存と処理が完了すると、コンテンツ一覧に編集済みの動画(画像赤四角)が追加されます。
三点リーダー(画像黄色丸)をマウスオーバーすると『オプション』と表示され、クリックすると、

メニューが開き、『ダウンロード』(画像黄色四角)をクリックすればダウンロードすることができます。
あとはダウンロードした動画をパワーポイントなどのスライドに貼るなどして使用できます。
まとめ
以上、動画を無料で簡単にモザイク処理する方法について解説してきました。
かなり細かく手順を解説してきたので、読むだけだと難しく感じてしまうかもしれません。
実際にやってみれば、そこまで難しいことはないと思います。
しっかりとプライバシーに配慮した形での症例報告・症例発表を行い、ご自身の成長に役立てていきましょう。