

療法士向けの勉強会や研修会は多いけれど、最近はオンラインセミナーも増えているな。
『リハノメ』ってよく聞くけれど、実際のところどうなんだろう?
『リハノメ』は私も利用しているサービスです。
メリットとデメリットを解説するので、参考にしてみてください。
オススメの使い方も紹介しますね。

リハスタッフ向けのオンラインセミナーを提供している『リハノメ』というサービスをご存知ですか?
私も利用させていただいているので、「実際どうなんだろう?」と登録を迷われている方に向けて、メリットとデメリットを解説します。
それを踏まえて、オススメの使い方も紹介します。
先に結論を述べてしまうと、次の3つです。
結論
- 『リハノメ』はコスパ最強
- 新人・若手療法士は長期契約で学習の習慣化を
- 中堅以上はスポット利用(1ヶ月プラン)で定期的なアップデートを
それでは、どうぞ。
この記事を書いた人

経験年数10年を越えた、いわゆる中堅理学療法士です。
現在は訪問看護ステーションで生活期・維持期や地域との関わりが多いですが、新人の頃は回復期に勤務していたため、新人・若手の頃の感覚を思い出しながらメリット・デメリットを考えてみます。
『リハノメ』とは?

『リハノメ』とは、株式会社geneさんが提供する、リハスタッフ(PT・OT・ST)向けのオンラインセミナーです。
リハスタッフ向けということで、PT・OT・STそれぞれの臨床に特化した動画が多く提供されていて、その分野の第一人者・スペシャリストの講師が数多く登壇されています。
また、臨床だけでなく、組織運営やマネジメントに関する動画なども多く配信されています。
『リハノメ』の評判
Twitter上では、勉強になる・役立つという意見が多いですね。
ちなみに、Twitterでは株式会社geneの社長をされている張本さんも頻繁にツイートされます。
フットワークの軽さは恐ろしいくらい軽いです。
また、入会・登録を迷われている方も少なくないようで。
そんな方の参考になれば嬉しいです。
『リハノメ』のメリット
それでは、実際に登録して使ってみて感じた『リハノメ』のメリットを解説・紹介していきます。
あくまでも個人の意見なので、ご参考までに。
動画数が多く更新頻度も高い

画像の右上にご注目ください。
この記事を書いている時点(2022/9/14)で、825件の動画が公開されています。
画像では新着順に並べてありますが、これだけでも幅広い分野の動画が公開されているのがわかります。
PT向けの整形外科疾患に関する動画、ST向けの構音障害や嚥下障害に関する動画、職種関係なく勉強になるマネジメントに関するものや、普段触れることの少ない音楽療法など。
また、これだけ動画数は多いですが、職種や分野で絞り込み検索もできるので、見たい動画も見つけやすいように感じました。
動画の質も高い
配信されている動画の講師の顔ぶれを見ると、その分野の第一人者と言って差し支えのないような著明な方ばかりが登壇されていることがわかります。
例えば、PT界隈だと、千里リハ病院の吉尾雅春先生や、国際医療福祉大学の石井慎一郎先生は一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
今の世の中、知識も情報も混合玉石です。
気を付けていないと、根拠もよくわからない上方を掴まされてしまいます。
その点、信頼できる講師が揃っているというのは安心かと思います。(有名なら良いという意味ではありません)
また、動画の内容も見やすいように配慮されています。
例えば、ただ一方的に講師が話し続けるだけの動画でなく、対談形式になっているものが多いです。
司会者が受講者・視聴者に代わって講師に質問を投げてくれるので、講義は単調にならず、同じような疑問を持った場合にはその場で解決できるというメリットがあります。
ひとつひとつの動画が短く編集されている
動画の質に関わってくる部分かもしれませんが、1つの動画が20〜30分くらいに分割されて公開されています。
古い動画だと1本60分前後のものもありますが、最近の動画は短めに編集されているようです。
アプリを使うと端末にダウンロードしてオフライン再生もできるので、出先で見たりするのであれば短い動画の方が見やすいということに配慮されているのでしょうね。
配信スケジュールが公開されている
さらに、配信スケジュールもかなり先まで公開されているので、予定が立てやすいですね。
おおむね3〜4ヶ月先までの配信スケジュールが掲載されています。
9月時点では翌年1月の分まで公開されていますね。

後述しますが、かなり先まで配信スケジュールが見られるので、長期契約にするのかスポット契約にするのかも場合によって選択しやすいように思います。
▼配信スケジュールを見てみる(公式サイト)▼
PT.OT.STのための総合オンラインセミナー『リハノメ』
場所や時間にしばられない
コロナ禍に入る前というのは、勉強会や研修会、セミナーに参加するには会場に出向くのが当たり前でした。
場合によっては飛行機に乗って移動したり、日帰りが難しい場所に行けば宿泊するというのが当然でした。
これは『リハノメ』に限ったことではないですが、現地に行かなくても受講できるというのはオンラインセミナーの大きな強みですよね。
特に地方に住む療法士は、都市部で開催されるセミナーに参加するために、セミナー受講費用に加えて旅費がかかり、同時に時間もかかる、体力も消耗するという状況でした。
『リハノメ』などのオンラインセミナーは、地方の新人・若手療法士にとってはとても心強いサービスだと思います。
地域による情報格差がなくなるというのは、患者さん・利用者さんにとっても大変良いことですね。
ちなみに私は朝型人間なので、勉強したり作業したりするのは朝の4時〜6時頃が中心です。
そんな私にとって、時間を選ばずに受講できるオンラインセミナーというのは助かります。
もちろん動画なので、繰り返し視聴することや、早送り・巻き戻し・倍速再生なども当然可能です。
このように場所にも時間にもしばられずに受講できるのは、オンラインセミナーの大きなメリットですね。
一番のメリットは手頃な価格設定
ここまで内容のメリットを色々と挙げてきましたが、一番のメリットはその価格設定です。
こちら、公式ホームページの料金表をスクショしてきました。

1ヶ月契約で、月額3,080円。
2年契約にすると、月額2,181円です。
つまり、1ヶ月契約で2年間過ごすよりも長期契約(2年)にしてしまった方が、21,576円も安くなるということです。
これは長期契約一択!と思われるかもしれませんが、ちょっと待ってください。
使い方によっては1ヶ月契約の方が得かもしれないので、最後の『使い方』のところまで読んでいただいた上で決めていただきたいと思います。
とにかく長期契約をした方がかなりお得にはなるのですが、月額3,080円だとしても十分安いです。
例えば、『Brain & Nerve』という雑誌がありますが、年間購読すると37,488円です。一冊あたり3,124円。
雑誌1冊買うよりも、たくさんの動画が見れてこの値段。
もちろん情報の新鮮さが違ったり、動画か論文かということで単純に比較することはできません。
ただ、得たい情報の種類によっては非常に手頃な価格設定かと思います。
▼料金表・プランを見てみる(公式サイト)▼
PT.OT.STのための総合オンラインセミナー『リハノメ』
『リハノメ』のデメリット
正直、デメリットはそんなにありません。
あえて挙げるとしたら次の3点が挙がります。
『リハノメ』のデメリット
- 実技は見るだけでは習得できない
- 動画視聴での学習が苦手な人には向かない
- 自動更新に注意
ただ、どれも『リハノメ』のデメリットと言うより、オンラインセミナー全般のデメリットですね。
実技は見るだけでは習得できない
『リハノメ』で公開されている動画では、知識の伝達を主とした講義形式だけでなく、実技の動画も多く配信されています。
ただ、どうしても実技は見ているだけでは理解・習得することができないもの。
これはオンラインセミナー全般に言える最大の弱点だと思います。
「体験型学習こそ正義!」と言うような方には向かないかもしれませんね。
逆に、実技ではなく知識を伝達する講習という意味では、会場に出向いて受けるセミナーと大きな差はないように感じます。
動画視聴での学習が苦手な人には向かない
これもオンラインセミナー全般の弱点ですね。
学習方法に関しては適正処遇交互作用というものがあり、人それぞれがあらかじめ持っている特性に応じて学習方法を変えることで、より効率的で効果的な学習効果が望めるというものです。
人によっては、動画視聴での学習が苦手で本を読んで学習する方が頭に入りやすかったり、会場に出向いて行われるセミナーでの体験型学習の方が効率良く学べたり、といった方も間違いなくいらっしゃるでしょう。
そのような方は、リハノメ会員はgeneのセミナーを割引価格で受講できるこちらの制度の活用もご検討いただけると良いかもしれません。

ここまでされると、本当に穴がないですね。
上記の2つのデメリットはほぼ解決されてしまいました(笑)
自動更新に注意
デメリットというか、サブスクリプションのサービス全般で言える注意点ですが、『リハノメ』もサブスクリプションなので、初期設定のままでは自動的に更新されていきます。
つまり、1ヶ月契約のつもりで契約したにも関わらず、自動更新の設定にしたままだと、毎月料金がかかってしまうということです。
そうならないよう、サブスクリプションの設定にはご注意ください。
『リハノメ』オススメの使い方
最後に、私が新人・若手だった頃を思い出しつつ、『新人・若手療法士』の場合と、現在の私が実際に行っている『中堅以上の療法士』の場合、2種類の使い方を紹介します。
人それぞれ学習スタイルや得意・不得意がありますので、この使い方は参考程度に、ご自身に合った使い方を探してみていただければと思います。
新人・若手療法士にオススメの使い方
ズバリ、長期契約をオススメします。
新人・若手のうちは、正直言って臨床に耐えうる知識を十分に身に付けているとは言い難い状態だと思います。
そんな新人・若手療法士は、これまでは『リハノメ』のようなオンラインセミナーというようなものはなく、書籍や論文を読んだり、先輩に教わりながら学んでいくというのが一般的でした。
私自身も、相当な書籍を購入し、論文も読み漁ったのを覚えています。
『リハノメ』の存在する現代の新人・若手療法士にとって、『リハノメ』はとても効率的なサービスだと思います。
具体的な使い方として、次のようなものを提案します。
新人・若手療法士の使い方
- 職種(PT/OT/ST)で検索し、自身の職域を優先的に片っ端から視聴する
- 一度で理解できなかったものは繰り返し視聴する
- より深める必要のある分野や知識は書籍や論文をあたる
とにかく最初は、片っ端から視聴しましょう。
自身の働く場所(急性期、回復期、地域など)や担当することの多い疾患(脳神経、整形外科疾患など)を中心に、浅くても良いので広く知識を集めてください。
そして、1度の視聴で全て理解できるとは思わず、繰り返し視聴することを前提にしましょう。
動画視聴→臨床→動画視聴→臨床…と繰り返すことで、動画視聴の質も高まり、同時に臨床の質も高まっていくことが期待できます。
また、動画で紹介されて知識だけが全てとは思わない方が良いことにも注意が必要です。
動画で紹介される知識というのは、その講師が論文等で集めた知識を解釈して、講師がまとめ、それを講義の形式で録画・配信しています。
つまり、知識を仕入れたところからかなりのタイムラグがあると考えるべきです。
これは書籍なんかでも同じことが言えるので、動画やオンラインセミナーのデメリットというよりは、情報を取り扱う上でのリテラシーのようなものだと思います。
最新の知見は論文に書かれています。
ただ、新人・若手のうちから急に論文を読んだとしても、議論の前提を理解できていない場合、論文の内容は入ってこないように思います。
そこで、まずは幅広く、ある程度浅い知識を『リハノメ』のオンラインセミナーで学ぶことを優先すると良いかと思います。
もし私が1年目の頃に『リハノメ』があれば、間違いなく入会・登録して、学習の習慣化に利用していたと思います。
中堅以上の療法士にオススメの使い方
中堅以上の方には、ズバリ1ヶ月契約をオススメします。
中堅以上というのが何年目以降なのか明確な基準はありませんが、職場の業務は一人で一通りこなすことができて、場合によっては後輩の指導も行っているくらいの年代・経験年数でしょうか。
そんな中堅以上の療法士であれば、文献(論文)や書籍を読むのは当たり前に習慣化されていることと思います。
自分の得意分野や専門分野に関しては最新の知見も追えているし、みずから研究をしているという場合も多いでしょう。
そんな中堅以上の療法士の落とし穴が、得意・専門分野以外に疎くなりがちというのがあります。
例えば回復期で脳血管疾患や整形外科疾患の方を担当することが多い中堅療法士であれば、心疾患や呼吸器疾患に関する最新の知見まで追えているという方は少ないのではないでしょうか。
仮に、回復期から在宅領域(訪問リハや訪問看護など)への転職を考えたとき、知識の偏りというのは不安要素の一つとなってしまいます。
そんなとき、活用できるのが『リハノメ』です。
新人・若手療法士のように、全ての動画に目を通すというようなことは必要ないでしょう。
見たい動画、つまり知らない知識や新しい知識、自分のあまり詳しくない領域の動画に絞って見ていけば良いのです。
つまり、次のような流れですね。
中堅以上の療法士の使い方
- 更新予定を参照
- 見たい動画が溜まってきたタイミングで入会(登録)
- 1ヶ月で解約(サブスク設定に注意!)
- 更新予定を参照
- 以降繰り返し
毎月毎月見ているということは必要ないので、動画配信スケジュールを参照しつつ登録するタイミングを見計らって、1ヶ月単位で登録・利用すれば良いのです。
例えば、3ヶ月毎に1回(1ヶ月)登録するとすれば、次のような計算になります。
3,080円 × 4ヶ月(/年) = 12,320
当然と言えば当然ですが、年間12,320円であれば、1年契約した場合の30,792円よりはお得に利用できることになります。
ただ、登録した月に集中的に動画を見るということになるため、育児などのライフイベントが重なりがちな中堅療法士には合わないスタイルの可能性もあります。
そんな場合には、1年契約や2年契約を検討してみても良いかと思います。
とにかく、中堅以上であっても知識のアップデートは必要であり、そのためにも『リハノメ』は有用だということです。
まとめ
以上、『リハノメ』に登録してみてわかったメリットとデメリットについて解説してきました。
メリットばかりが目立ってデメリットがほとんどなかったので、恣意性が強い記事と思われるかもしれません。
ただ、これは問題があるとすぐに改善・修正される企業努力の結果です。
geneの張本社長も、Twitterでこのように言われています。
本当にすべて検討して、改善されるんですよね。
ここで結論を改めてまとめておきます。
結論
- 『リハノメ』はコスパ最強
- 新人・若手療法士は長期契約で学習の習慣化を
- 中堅以上はスポット利用(1ヶ月プラン)で定期的なアップデートを
この結論に至った理由はおわかりいただけたでしょうか。
療法士として働く限り、新人も若手も中堅以上も、知識のアップデートは限りなく続ける必要があります。
そう考えると、常に新しい動画をアップしてくれる『リハノメ』は非常に効率的な学習がしやすいのではないでしょうか。
▼『リハノメ』の詳しい情報はこちら(公式サイト)▼
PT.OT.STのための総合オンラインセミナー『リハノメ』
